スティーブ・ジョブズの人生・名言

アップル共同創業者

自分の美意識・価値観を貫いた男

項目人物像データ
本名:スティーブン・ポール・ジョブズ
特徴:へこたれない・本質を考える
得意科目:マーケティング
出身大学:リード大学(中退)
大学の専攻科目:哲学・思想・西洋書道など(専攻ではない)

スティーブ・ジョブズの生涯

スティーブ・ジョブズの誕生

1955年、シリア人政治学者アブダルファン・ジャンダリと大学院生ジョアン・シンプソンの間に一人の男の子が生まれました。
しかし、彼の実の両親二人は彼が生まれてくる前から子供を養子に出すことを決めており、すぐさまジョブズ夫妻に養子として引き取られることになりました。彼の名前はスティーブ・ジョブズ。
彼はカリフォルニア州ロスアルトですくすくと育っていきました。

アップル社設立までの経緯

スティーブ・ジョブズは1971年、高校生のころ、ヒューレット・パッカード社の夏季インターンシップで働くようになりました。そして、同社で働くオモチャ開発の神童スティーブン・ウォズニアックと運命的な出会いをします。
ブルーボックスという無料で長距離電話ができる不正な方法を雑誌で知ったことをきっかけに、スティーブ・ジョブズとウォズニアックは意気投合し、その装置を作り出し二人でよく電話をする仲になりました。
ヒューレット・パッカードの講習が終わった後しばらくして二人は「自作コンピュータクラブ」の集会で再開を果たすことになります。この「自作コンピュータクラブ」は電子機器のおもちゃを開発するコンピュータおたく達の集まりで機械の中身以外には目もくれないような人の集まりでした。
ただスティーブ・ジョブズだけは彼らとは少し違った視点をもっており、外観(デザイン)や使い勝手、マーケティングといった目を持っていました。

一方スティーブン・ウォズニアックは、モステクノロジー社で作られている「6502」というコンピュータの簡易版をモステクノロジー社のものより安価に作り出しこのコンピュータクラブで賞賛されました。しかし、このコンピュータをヒューレット・パッカード社で商品化するようウォズニアックが上司に説得しても理解されず頭を抱えることになってしまいます。
ここでウォズニアックはスティーブ・ジョブズとアップル社を設立することを決意するのです。

2人は自分たちの最も高価なものを売ることで資本金を捻出し自宅のガレージでコンピューターの試作に取り掛かりました。(ジョブズはフォルクスワーゲンのマイクロバス、ウォズニアックはヒューレット・パッカードの計算機を売ったといわれている。)
そして新しいコンピューターを完成させるとすぐに、2人が地元のコンピュータ愛好家グループ会員だったことを利用して市場を確保し販売にこぎつけます。このアップル社製品第一号「アップルⅠ」は77万4000ドルの売り上げを上げることに成功しました。
さらに、この資金を元手にすぐに更なる「アップルⅡ」の開発に取り掛かり大成功を収めます。

アップルの成功とクビの宣告

この頃からスティーブ・ジョブズはシリコンバレー最高のマーケターであるレジス・マッケンナを招きいれマーケティング戦略を強化していきます。
1980年にはアップル社は株式を公開し成長率150%で急成長する躍進をみせました。
しかし翌年にIBMがマイクロソフト社のライセンスを受けOSを販売し始めたためアップル社は追い抜かれてしまいます。
ここでスティーブ・ジョブズはアップル社の業績回復のためペプシ社のCEOであるジョン・スカリーに声をかけアップル社に招き入れることを決定します。(このときスティーブ・ジョブズはジョン・スカリーに「このまま一生砂糖水を売りつづけたいか?それとも世界を変えたいか。」と言って口説いたといわれています。)
一流企業の経営者ジョン・スカリーとやんちゃ坊主なスティーブ・ジョブズというタッグは、今までにない『アイコンをマウスでクリックする』という画期的なコンピュータ「マッキントッシュ」を作り上げることに成功します。
もちろんこの製品はヒットしたのですが、この製品はライバルには真似できない手法であると考えたスティーブ・ジョブズは業界を独占するために身を乗り出しすぎ在庫を抱えすぎて赤字を出すことになってしまいます。
この製作で失敗し、アップルは20%の人員削減を強いられ、この事件が原因でスティーブ・ジョブズはジョン・スカリーにクビされてしまいます。

ピクサー・アニメーションの成功

これを機にスティーブ・ジョブズは新会社NEXTコンピュータ社を設立します。
ジョブズは、投資家からの資金調達で2億5000万ドルと自分のアップル社の株をほぼすべて売却した資金とをこの新会社に投じました。
この会社は、NEXTcubeという世界初のウェブサーバをつくるという大きな功績も上げた反面、製品開発に経費をかけすぎ販売台数が伸び悩みそれほどうまくいきませんでした。
しかし失敗したと思ったやさき自己資金6000万ドルを投資(買収)したピクサーアニメーションがコンピュータによるアニメ「トイストーリー」「バグズライフ」と超大作を連発し大成功を収めることになります。

世界最高のCEOの座へ

そうこうしている間にアップル社は、マーケットから忘れ去られる勢いで衰退していきます。
困ったアップル社のCEOのギル・アメリオはコンサルタントとしてスティーブ・ジョブズを再度招き入れる決断を下します。
そうしてすぐさまスティーブ・ジョブズは自称「暫定」CEOの座に返り咲いたのです。

スティーブ・ジョブズの才は見事なものでした。
まず、損失ばかり出していた契約を放棄しました。次いで、NEXTコンピュータ社で暖めてきた「ジョブズの信念の全て」ともいえる新製品iMacを発売。アップルを再び業界を牽引する企業にまで返り咲かせました。

ちなみにCEOに戻ってからのスティーブ・ジョブズの給与は年1ドルで、「世界一給与の安いCEO」として有名になりました。

その後もiTune+iPod、iPhon、iPad、iPodと音楽業界やスマートフォン業界を震撼させるヒット商品を連発させ一躍「時の人」となりました。

2011年10月5日にすい臓がんで死亡。新型iPhon4Sの発表を終えたばかりのことでした。

スティーブ・ジョブズの名言

  • 大事なのは量より質。2塁打2本より、1本のホームランの方がずっといい。
  • アップル社再建の妙薬は費用を削減することではない。現在の苦境から抜け出す斬新な方法を生み出すことだ。
  • 美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。
  • 残りの人生も砂糖水を売ることに費やしたいか、それとも世界を変えるチャンスが欲しいか?
  • 1年で2億5000万ドルも失ったのは、知っている限りでは私だけだ……。人格形成に大きな影響を与える出来事だった。
  • 方向を間違えたり、やり過ぎたりしないようにするには、まず「本当は重要でも何でもない」1000のことにノーと言う必要がある。
  • 仏教には「初心」という言葉があるそうです。初心をもっているのは、すばらしいことだ。
  • あなたがテレビのスイッチをオンにするのはあなたが自分の脳のスイッチをオフにしたいからだと思います。 それに対してコンピュータで仕事をするのは、脳のスイッチをオンにしたいときではないでしょうか。
  • 私がこれまでくじけずにやってこれたのは、ただひとつ。 自分がやっている仕事が好きだという、ただそれだけなのです。
  • 飢餓感を持て。バカであれ。
  • 消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。完成するころには、彼らは新しいものを欲しがるだろう。
  • 毎日、今日が人生最後の日かもしれない、と考えるとすれば、いつか、必ずその考えが正しい日が来る。
  • もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定を私は本当にやりたいだろうか?
  • ハングリーであれ、愚かであれ。(スタンフォード大学の卒業式のスピーチにて)
  • 他人の意見で自分の本当の心の声を消してはならない。自分の直感を信じる勇気を持ちなさい。
  • 当時は分からなかったが、アップル社に解雇されたことは、私の人生で起こった最良の出来事だったと後に分かった。成功者であることの重さが、再び創始者になることの身軽さに置き換わったのだ。何事につけても不確かさは増したが、私は解放され、人生の中で最も創造的な時期を迎えた。
  • 私はアップルの経営を上手くやるために仕事をしているわけではない。最高のコンピュータを作るために仕事をしているのだ。
  • 知ってると思いますが、私たちは自分たちの食べる食べ物のほとんどを作ってはいません。私たちは他人の作った服を着て、他人のつくった言葉をしゃべり、他人が創造した数学を使っています。何が言いたいかというと、私たちは常に何かを受け取っているということです。そしてその人間の経験と知識の泉に 何かをお返しができるようなものを作るのは、すばらしい気分です。
  • 自分たちの製品を知らずに、どうやってお客に勧めるというんだい?
  • いまはまたリスクが溢れている。これはとてもいいことだ。そのリスクを覗いて向こう側を見てみると、なんだか大きく化けそうだと思えてくる。
  • 死は生命にとって唯一にして最高の発明だ。

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