プレマックの原理を応用して実行力を向上させよう!
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プレマックの原理でやる気を取り戻す!?

得意なことからはじめるという過去の記事で私は、目標に向かって行動を起こすとき「得意なことから始めるとよい」といいました。
それはいきなり苦手なことに取り掛かるより得意なことから始めた方が行動に勢いがつくという理由があったからです。
しかしながら計画を実行段階に移したとき、怠け癖が出てきたと感じた場合は方法を考え直すことも必要です。
なぜなら私たち人間の心というものは状況に応じて変化するものだからです。
好きなことを先にした場合と後にした場合でも私たちの心境は変わります。しかもそれが状況によっても変化するのです。
例えば一人の中学生を想像してみてください。
その子が試験勉強をするときはきっと得意科目から手を着けた方がはかどることでしょう。
ただし夏休みの宿題をするときは少し状況が変化します。
スタートダッシュをかけて簡単な宿題ばかり片付けてしまうと夏休みの終盤まで嫌な宿題を先延ばししてしまう可能性が高くなるのです。
そんなときは嫌いなものを先に片付けてしまった方がやる気を持続させることができるのです。
あなたも経験があるのではないでしょうか。
個人差はありますが、タイミングや順序を状況に応じて変えるだけで能率に違いがでることがあるのです。
習慣を作り出す「プレマックの原理」

後者のように、好きな行動より嫌な行動を先に行うことで行動が強化される状況を、行動心理学では「プレマックの原理」といいます。
霊長類研究者として有名な心理学者デイヴィッド・プレマックによって提唱されました。
彼のある一つの実験を挙げておきましょう。
「プレマックの原理」の実験と結果
- ボタンやレバーを設置した部屋でサルの行動頻度を計測した
- 習慣的に利用するレバーを発見
- ボタンを押さなければレバーを引けられないようにしたところサルはそれをすぐに学習し以来習慣的にボタンを押すようになった
どうでしょうか。
もしかするとあなたもいつのまにかスマートフォンのアプリを押す順番が決まっていたりしませんか。
この原理を応用すれば、すでに習慣化している行動を発見し、その行動を行う前に習慣化したい行動を挟むと新しい習慣を作り出せるようになります。
プレマックの原理を応用した例
例えば、テレビゲームをする習慣があるのならゲームをつける前に5分間だけ英単語帳を開くように心がけると自然とそれが習慣化されるようになるはずです。
アクション・トリガーの使い方に似ていますが、これは好きな行動を報酬の代わりに利用する方法です。
報酬をエサに行動を生み出す方法の応用といえるでしょう。
すべての行動に対して報酬を用意するのは並大抵のことではありません。
もし評価する段階に入って自分の行動を振り返ってみたとき、悪習慣にせよ習慣化している行動があるのを発見したならそれを利用するのも一つの手段と考えてみましょう。
特に、あなたが計画の実行を惰性でこなしているとしたらプレマックの原理は士気を高めるための一歩になるはずです。
人によって向き不向きがあるので今の自分にとって実行力を向上させるためにはどのような手法が有効なのかいろいろ試してみて計画の改善に役立ててください。
健康的な食事ができるようになり収入をUPしSEXまでも上手くなる!?

食事の際にプレマックの原理を応用するとさらなる恩恵も得られます。
食事の際、嫌いなものから食べるようにするとバランスのよい栄養摂取にもつながるのです。
特に小さな子供たちは先に好きなものだけ食べてお腹いっぱいになると嫌いなものを残すようになってしまいます。
好きなものを残しておくと、嫌いなものを食べる習慣がつくだけでなく食べ残しも減らすことができるのです。
また、幼少期に好きな食べ物を最後にとっておく能力「我慢」ができるようになると大人になった時の収入が高くなる傾向にあることも統計上わかっています。
さらに男性の場合、好きなものを最後にとっておくという人の方がそうでない人よりもSEXが上手いという研究結果もあるそうです。
偏った栄養バランスのせいで体系を崩している人や家庭に幼いお子さんがいる人は是非好きな食べ物を最後にとっておくことを意識してみてください。
デイヴィッド・プレマックについて
デイヴィッド・プレマック
プレマックの原理を提唱した心理学者。
霊長類研究者として活動するなかで、「プレマックの原理」の他にも「心の理論」など心理学界に多大な貢献をした。
「心の理論」は、チンパンジーや人など霊長類は仲間の心を推測して行動をとっているのではないかとプレマックが提唱したもの。現在ではミラーニューロンの発見によりますます信憑性が増している注目の理論。
