マズローの欲求段階説は間違いです!
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マズローの欲求段階説は間違っていた!
きっとあなたも「マズローの欲求段階説」について学校で習ったことがあると思います。
それは1954年にエイブラハム・マズローが作成した図のようなピラミッド構造をなすリストで、人間の欲求は一番下から順に段階を追って満たされていくというものでした。
これは人間の欲求を非常によく捉えた素晴らしい研究成果でした。
しかしながらその後の心理学の研究でマズローの欲求段階説は間違いだったということが示されるようになりました。
“下等な欲求”と“崇高な欲求”?
マズローの欲求段階説は誤った理論です。
なぜなら私たち人間はこれらの欲求をほぼ同時に追及するからです。
例えば貧乏で食べることもままならない芸術家を想像してみてください。
彼らは自己実現の欲求や美的欲求、学習の欲求、自尊の欲求を満たすために生理的な飢えを我慢してでも活動しようとします。
彼らの生理的欲求や帰属の欲求に訴えかけ「パンをやるから描くのをやめてくれ」と頼んでも、おそらく拒む人が出てくるでしょう。
このように、マズローの欲求段階の下階層の欲求が満たされていないからといっても必ずしも下階層の欲求が強いとは限らないのです。
どの欲求を刺激すれば感情をくすぐることができるのか?
もし反論があるなら次の質問に答えてみてください。
会社が、目標の業績を大幅にアップさせることに成功したあなたに100万円を特別手当として与えてくれることになりました。そのとき上司に言われる一言としてどれが一番嬉しいですか?
1.100万円があったら何ができるか考えてみろよ。ずっと夢見ていた新車や住宅リフォームの頭金が手に入るんだぞ。
2.銀行口座にこの100万円があれば、どれだけ安心感が増すか考えてみろ。
3.100万円の意味をよく考えてみろ。うちの会社は無駄なお金は一切払わないんだぞ。会社にとってお前がどれだけ重要な存在かわかったはずだ。
どれが一番嬉しいですか?―――ちなみに私は、この問いに対して3番だと即答しました。
きっとあなたも私と同じように、自分を最も動機付けるのは学習意欲や自尊心に訴えかけられたときだと実感することでしょう。
それなのに他人に対しては下層の欲求の方が重要だと考えている人が多いのも事実です。マネジャーの多くは従業員の士気の高め方を間違っていることが多いものです。
マズローの欲求“段階”説の認識は少し違った解釈を添えた上で応用されるべきなのです。
もちろんここでお伝えしたいのは生理的欲求や安全の欲求が重要視されていないということではなく全ての欲求が同じくらい強度を持っているといいたいので誤解の無いようにお願いします。
そしてもう少し詳しく階層を分けていき下記のように認識しておくと良いでしょう。
超越の欲求 |
他社の潜在能力を助ける |
自己実現の欲求 |
自分自身の潜在能力、自己実現、至高体験を実現する |
美的欲求 |
対称的、秩序、美、均衡 |
学習の欲求 |
知る、理解する、知的に結びつける |
自尊の欲求 |
達成する、有能である、承認を得る、独立、地位 |
帰属の欲求 |
愛情、家族、友人、好意 |
安全の欲求 |
保護、安全、安定 |
生理的欲求 |
飢え、乾き、身体的快適さ |
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参考文献:アイデアのちから