NLPにも使われているアンカリング効果の恐怖
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アンカリングとは
アンカリング(係留) とは、簡単に手に入る情報に頼りすぎる傾向、あるいはそれに縛られる傾向をいいます。
NLP（神経言語プログラミング）の分野では「条件付け」とも言われています。
小学校か中学校のとき理科の授業で「パブロフの条件づけ」という実験を勉強したと思いますが、覚えていらっしゃるでしょうか？
条件反射として知られるこの実験は人間にも当てはまります。
買い物に行ったとき、５万円する洋服が２万円になっていたら…あなたはどうおもいますか？
「これは安い！」とおもうのではないでしょうか？
最初に５万円というアンカー（条件）が提示されていると、その金額が脳に焼き付けられ２万円が安く感じてしまうのです。
（※「どちらにしても２万円は大金だろう」という冷静な判断ができた方は、きちんとしたお金の概念ができあがっていてすばらしいと思います。
…結局は人間が決めたお金の基準をアンカリングしているのですが（汗））
このようにアンカリングはあなたを恐怖に陥れることがあります。
アンカリングの恐怖
アンカリングのことを「条件付け」と最初にいいました。
悪く言えば「思い込み」ということです。
これは実際にマサチューセッツ工科大学の教授が提唱した実験なのですが、聴衆に自分の社会保障番号の下２ケタを紙に書いてもらいました。
その聴衆にワインやチョコレートなどの品物を擬似的に入札させていくと、あら不思議…
社会保障番号の高い数値を記入した人は、自然と品物に高い値段をつける傾向がでてきたのです。
どうでしょうか？知らない間に、自分の意志で高い値段を設定してしまうのですよ！恐いですよね？
合コンの席でアンカリングが仕掛けられていることもあります。
「自分よりブサイクな人を集めていけば自分がカッコイイ・カワイイと思われるのではないか」そういう話を聞いたことはありませんか？
実は結構あたっているんです（汗）
アメリカのインディアナ大学の実験なのですが、彼女のいる男子学生を集めて２つのグループをつくりました。
一方にはセクシーなポルノ女優の写真をみせて、一方には何もみせずに「今の彼女は１０点満点中、何点ですか？」と質問すると、ポルノ写真を先にみたグループの平均点は３．８８点だったのに対し、何も見ていないほうのグループの平均点は５．４７点だったというのです！
中にはポルノ写真をみたグループの中にも「１０点」と答えた人がいたでしょう（そのことを願います）。
しかしながら結局は平均したら２点近くの差が生まれたのです。
（でも所詮、平均２点でしょ？と思った方→統計・平均という分野はものすごい力を持っています。平均が信じられないという人はサイコロを１００回ふってみてください。見事に６が約１６回出るはずです。）
異性を見るときもアンカリングが起こっているなんて恐いですよね（泣）
実は株式など金融の投資をするときも、ほとんどの人が、アンカリングにかかって損をします。
「この株の適正価格は３０００円だ。今の２７００円は安すぎる。明日にでも上がるだろう。」などという専門家の意見に振り回され、過去のチャートをみて勝手に納得してしまうのです。
この場合、“今２７００円”なら“２７００円が正しい金額”なのに過去の価格を元に自分で勝手な適正価格を設定してしまうのです。
３０００円はなんの意味もないタダの予想で、次の日に上がる可能性は約５０％（下がる可能性も当然約５０％）という結果になるのです。
そうなると株式もただのギャンブルです。
アンカリング効果におちいった状態で投資をしても正しい判断はできません。
アンカリングに騙されない
人間の脳は騙されやすいものです。
夢に向かっているとき、恋愛をするとき、買い物をするときなどアンカリングというものがあるということを認識して騙されないように気をつけてください。
ここまで、アンカリングの悪い面ばかりを挙げてきましたが、これはアンカリングの一部です。
世の中にはアンカリングを良い方向へ活かすという方法も考案されていますので、興味のある方はNLP（神経言語プログラミング）という分野のアンカリングを勉強してみてください。
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