パブロフの犬/古典的条件付け/条件反射とは

パブロフの犬(古典的条件付け)=条件反射とは

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パブロフの犬(古典的条件付け)=条件反射とは

犬

パブロフの犬とはイワン・パブロフ博士によって行われた実験、または実験結果からわかった条件反射のことです。

その実験とは、犬にベルを鳴らしてからエサを与えることを繰り返し、唾液の分泌量を測定するというものです。(※1,2)

実験の結果この犬は、実際にエサを与えられなくてもベルを鳴らしただけで通常ではありえないほどの唾液を出すようになったのでした。

この結果から、動物は生活のなかで条件をともなって結果を得ることが繰り返されると、条件が出ただけでも、結果を得たときと同じ反応をしめすということが実証されました。

このことを条件反射と呼びます。

※1.まず、最初に本来、人や犬は食事をするとき、口の中に唾液が分泌されることを前提として知っておいてください。
※2.ベルではなくメトロノームを使ったともいわれています

条件反射について

梅干

条件反射とは、個々の生活の中で獲得された生体の反応のことと定義されています。

梅干を見ただけで、よだれが出るという経験はありませんか?

これが最も身近な条件反射といえます。犬の例と同じ現象が起こっています。

この実験のことから、「条件付け」のことを「パブロフの犬」と呼ぶこともあるほど「パブロフの犬」は条件反射の代名詞となっています。

実際にはベルの音以外にも他の刺激による実験も試されて数々の条件反射についてのことがわかりました。

そのときにみられた反応例

  • 唾液を分泌してもエサを与えず、そのままずっとベルを鳴らし続けていくと次第に反応は消えていく=続いた刺激に慣れる→内制止
  • 別の日にベルを鳴らしても、犬は唾液を分泌する=反復しても条件反射する→後制止
  • 条件付けした犬に後から他の刺激を与えると前の条件が起こらなくなるケースも見られた→外制止
  • 刺激が弱いものより、強いもののほうが条件反射しやすい。しかし、強すぎると逆効果になる場合もある→超限制止

このほかにも、いくつかの反応がわかったといわれています。

なかでも最後に挙げた超限制止は精神病や睡眠療法の研究で重要な概念となっています。

これらの数々の結果が上記に出てきたように、生理学以外でも行動主義心理学、行動療法などさまざまな分野で応用されました。

深層心理に影響を与える条件付けの善悪

握り返してくる赤ちゃんの習性

特に日本の生理学界とアメリカの心理学界では条件反射の研究が盛んに行われるようになりました。

人間は小学校4年生くらいまでに「ムリ」という言葉を何度も聞かされたり、自分で言ったりするとメンタルブロックという自分の限界を作ってしまうといわれています。
これもいつの間にか自分を条件付けしてしまっている一つの例といえるでしょう。

あなたの限界を決めているのは、あなた自身です。追い込みすぎるのもよくありませんが、ムリという言葉を発するのは控えてください。

また、無意識のうちに何度も嫌な経験をして、ストレスとなってしまう条件付けをしてしまわないように気をつけてください。

さらに条件反射はアンカリングの原因となっています。気をつけてください。

アンカリングについて

反射と条件反射

ただし生物学的な本来の「反射」と「条件反射」は全く違いますので混同しないようにしてください。

念のため下記に「反射」について明記させてもらいます。

反射(生物学)=無条件反射

  • 生体が生まれつき持っている一定の反射活動
  • 意識することなく刺激に対して体が動く
  • 脊椎動物に限られる
  • 脚気(カッケ)が一般に知られる代表的な例(ひざ小僧を叩くと、ひざ下が跳ね上がる)
  • 条件反射とは違い、何もしていなくても起こる
  • 脊髄反射のことをいうことが一般的

人間は本来、脳からの信号で体を動かしています。

しかし、反射が起こると、脳に刺激がいく前に脊髄が反応し、体の各部位を動かす信号を出すようになっています

反射すると普段より素早い動作になることがわかっています。

日本で研究された「初動負荷理論」では筋肉の伸張反射という習性を利用したトレーニングが推奨されていて、トップアスリートから身体障害者、老人まで動作・筋肉・神経系などの改善に効果を発揮しています。

生物学的に言われる反射は脊椎動物のみしか行われません。

(条件反射は他の動物にもみられる)
例:軟体動物のアメフラシ,節足動物のゴキブリ

イワン・パブロフ博士について

最後に実はすごい人なのでパブロフの犬の実験を行ったパブロフさんについても書かせてもらいます。

イワン・ペトロビッチ・パブロフ

1849〜1936/ソ連の生理学者
自身の医学研究所で消化腺の働きを研究していた。 唾液が口の外に出るよう手術した犬で唾液腺を研究中、えさをもってくる飼育員の足音で犬が唾液を分泌していることを発見し条件反射の実験を考えついたといわれている。
1904年、消化腺の研究によりノーベル生理学・医学賞を受賞!
実験的な大脳生理学の道をひらいた。また唯物的心理学の基礎を築いた。




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