あなたも知らないうちに「少数の法則」の信仰者になっている
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少数の法則を知る前に、大数の法則を知っていますか?
少数の法則とは、少なすぎる情報から、不適切な結論を導き出す傾向をいいます。
少数の法則を理解してもらうために、「大数の法則」を先に説明させてもらいます。
大数の法則というと聞いたことがないかもしれませんが、中学校で数学を勉強したことがあるのなら実は習っているのです。
大数の法則とは数学の授業でいう「確率」のことです。
大量のサンプルには、その母集団の特性がそっくり現れるというものです。
ちょっと説明が下手くそですね(汗)スミマセン。
例を挙げて説明させてください。
例えば世論調査をするとき、街角でランダムに500人の人に声をかけてアンケートをとったとします。
アンケートの結果、総理大臣を支持する人が300人(60%)で指示しない人が200人(40%)を占めました。
この500人の統計はおおよそ日本国民全体に同じアンケートをとったときと同じ比率になり、国民の総理の支持率は60%ということになるのです。
ここではアンケートを実施した人数を500人にしましたが、このサンプルの人数が多ければ多いほど数値の正確性は増します。
(※よっぽど数が少なくサンプリングが難しい場合は最低30以上、できれば100以上。欲をいうと4000以上のサンプリングがあればほぼ信用できるデータといえるでしょう。
ちなみに、あるテレビ番組では、統計的優位性を実証するためには1000以上のサンプリングが必要だといっていました。)
これが大数の法則です。
少数の法則の信仰者
この大数の法則を人間は時々勘違いしてしまうことがあります。これが「少数の法則」というものです。
ほんの少しのサンプル数しか無いのにも関わらず、あたかも規則制や特性がわかったように感じてしまうのです。
大数の法則は正しい情報ですが、少数の法則は間違った情報です。
ですが、深く考えない人間は経験則でモノゴトを受け入れようとしますので、ほとんどの人が少数の法則を信じてしまうのです。
例えば、Aさんが初めてダーツを投げて3回連続で的の中心を射抜くことができたとしましょう(かなりスゴイですね)。
するとAさんはこう思い始めます
「自分にはダーツの才能があるのかもしれない」。
4投目はほんの少し中心からそれてしまいました。
そこでAさんは考えます「ちょっと外れたけど、惜しかったな〜。集中力が欠けてきたのかな。次は集中していこう」。
すると、運よく5投目に、また中心を射抜きました。
完全にAさんは自分のことをダーツの天才だと信じ込んでしまいます。
「やっぱり集中すればオレはいつでも中心を射抜くことができる」(実際にできたら誰でも思ってしまうのではないでしょうか?)
しかし、6投目以降全く論外な結果に終わって、最終的に中心に当たる確率は10%未満でした(結局最初に当たりが集中しただけでした)。
ですが、少数の法則に陥っている場合Aさんは「自分はダーツがうまいほうだ」と信じ込んでしまうのです。
もし、周りの友達がAさんより下手だった場合、もっと思いこみは激しくなります。
(それでプロへの道を志して上手くなっていくとよいのですが…
※あまりダーツは知らないのですが、プロは95%くらいの確立で狙ったところにいくというのをネットで見たことがあるのでそれを参考にAさんの命中率10%を考えてください。
ビジネスでいうと最初に儲かっていても、フタを返せば大借金してしまっていた、という話よく耳にします。
このページを読んでくださったあなたは小数の法則の信仰者にならないように気をつけてください。
※大数の法則はあくまで確率です。100人中無作為に選んだ50人の子供の社会のテストの平均が90点だったとしても、100人の平均が60点だったということもありえますので、過度に大数の法則を信用しすぎて失敗しても私のせいにはしないでください。
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source credit titles: 1.Luck / Nicolas Sanguinetti 2.Darts / Richard_of_England