返報性のルール
賢い消費者になるための返報性のルール
人は、人から何か貰うとお返しをしなければいけないものだと思っています。
この法則を『返報性のルール』といいます。
どこの国の人でも住みよい人間社会を築くためにそのように教育されています。いわば人間の持つ習性ともいえるでしょう。
世の中には、この習性を利用したビジネスモデルがたくさんあります。
例えば無料サンプルがよい例です。
リウマチやアレルギーなど免疫機能が心配な方々のあいだで秘かに話題となっているスターリミルク
実は初回お試しサンプルは無料です。(世界特許230以上保有、楽天サプリメント売れ筋第4位)
販売元の株式会社ベルジュとしては2回分とはいえ使用してみて効果を知ってもらいたいという意図があります。
ですが、本来これではお金儲けは成り立ちません。しかしながら彼らは返報性のルールの重要性を知っていると思われます。無料で、しかも効果のある商品を貰った多くの人がお返しの気持ちもかねて再度商品を購入してくれるはずなのです。
返報性のルールは好意を持っている人にも、嫌われている人にも効果があるといわれています。
人間の習性として人から何かモノを貰うと不安な気持ちがおこります。すると返報性のルールが働き、相手の好き・嫌いに関係なくお返しをしなければ不安な気持ちが解消されなくなるのです。
ただし回数を重ねるにつれ、嫌いな人が「何かあげる」といってきても受け取らなくなっていくこともわかっています。
海外の空港で募金活動をしているクリシュナ協会という宗教団体があります。
昔この団体は陰気な服装で人々から避けられていました。
それにも関わらず花やバイブルを無料で差し出すことにより寄付金を募ることに成功しました。
いらないと言っているにも関わらず花を空港で歩く人々に渡すのです。
そして「花はプレゼントですのでお返しにならないでください」といって募金箱をみせるのです。
ここで返報性のルールが働き多くの人は“貰った”ことに対してイヤイヤでも募金をいれてしまいます。(そして離れた場所で花を捨ててしまいます。クリシュナ協会の人も花は捨てられるものだとわかっています。)
この方法によりクリシュナ協会は大きく繁栄しました。
現在、クリシュナ協会を嫌っている人々は空港でそれらしき勧誘を発見すると遠回りをしてでも避けるようになっています。
企業としては『返報性のルール』を使って信頼を損なうようなマネはするべきではありません。
反対のケースもあります。無償の愛とはいえ与えられたにも関わらずお返しをしない人は信頼を失う傾向にあります。これも世界共通です。
近年多くの企業が“無料サンプル”をお客様に提供しています。これには“商品に対する自信”と“返報性のルール”による効果の裏づけがあるからできることなのです。
消費者としては、はじめから必要なものだけを貰うようにすることが賢い選択といえるでしょう。