上手い褒め方
褒められて伸びる子
褒めることは相手の心をつかむ大切な技術です。
褒められると大抵の場合自我意識がくすぐられ感情が高ぶり嬉しい気持ちになります。
- あなたと一緒にいるとなんだか落ち着くわ
- 本当に君は頼りになるな~
- カッコイイね
- カワイイね
- イイネ!
なんて言われたら嬉しいと感じる人も多いはずです。
そもそも人間は、赤ちゃんの頃から褒められながら“正しい行動”を覚えて成長していきます。
もし全く褒められることなく叱られてばかりいたらどこか捻くれた性格になってしまう危険性があるのではないでしょうか。
このように大人から子供まで人間関係を形成していく上で“褒める”ことは非常に重要なことなのです。
ただし何でもかんでも相手を賞賛する言葉を言っていればいいわけではありません。
なぜなら褒め方を一歩間違えると相手の気分を損ねてしまうこともあるからです。
褒め方一つで相手の機嫌を損ねることも
上記で “褒められると自我意識がくすぐられ感情が高ぶる”と書きました。
だからこそ、たとえそれが褒め言葉だとしてもプライドを傷つけた場合には逆効果になってしまいかねません。
褒め方にも上手な褒め方と下手な褒め方があるのです。
そこで褒めるときに注意したい項目を3つ挙げておきたいと思います。
1.思ってもないお世辞を言わない |
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人を褒めるにしても、邪心のともなったお世辞なら言わない方がましかもしれません。 なぜなら人は、人とコミュニケーションをとるとき言葉の意味だけでなく声の調子や話の流れ、表情など総体的に意味を解釈しているからです。 なかでも、人間は視覚の優れた動物であるためか顔の筋肉を見分ける能力は非常に優れています。 例えば人間だれしも自分の劣っているところを少なからず気にしています。そこをお世辞で褒めてしまうと「バカにしているのか?」と悪い意味にとらえられてしまうのです。 もし本心から褒めているのに「バカにしているの?」と言われても「~だから本当にスゴイと思った」などとキチンと説明すれば納得してもらえるでしょう。 それができれば相手は、今まで自信を持てなかったことに対して勇気がでるかもしれません。 しかしながらお世辞だった場合は、相手はそれを見抜き、深く傷つき、さらにあなたの信頼まで失うことになりかねません。 相手に良く思われたいとか信頼を得たいなどと思っているのならお世辞を言うことより嘘をつかないほうが優先されるべきでしょう。 |
2.タイミングを見極める |
褒めるタイミングも重要なポイントです。 同じ褒め言葉でも使うタイミングによって相手の受け取り方は違います。 相手が仕事でミスをして落ち込んでいるところに「どうやったらそんなに上手く仕事をすすめることができるのですか?」などと言ってしまっては嫌味ととられても仕方がありません。 わざとらしいタイミングで褒めると軽い言葉に聞こえます。 反対に、静かなところで褒めると重い言葉に聞こえます。 想定できる範囲でよいのでTPOを選ぶことも大切なのです。 |
3.ライバルを知る |
その場にいない人を褒めることは一般には良いとされています。 汚い言葉が飛び交うより褒め称える言葉が聞こえてくる方が、場が和む効果もあるでしょう。 それに褒められた相手も、間接的にあなたが褒めていたことが伝わってきたらきっと嬉しいでしょう。 また親密になるためのテクニックとして、ハイダーのバランス理論でも共通の知人を褒めることは有効だという話をしています。(※下記リンク元参照) しかしながら褒める相手を間違えると相手の機嫌が悪くなることもあります。(※) 例えば褒める対象者に対して相手が敵対意識を持っている場合を考えてみてください。 「友達の夫は育児から家事までなんでも手伝ってくれるそうよ」とか「お隣のご主人が部長に昇給したらしいわよ」など「それにひきかえあなたは…」と続くような妻の言動は旦那を“くさらせる”原因として深く関係していることが多々あります。 他にも、「このネックレスをお隣の奥様にも買っていただいたのですが非常によくお似合いでした。」などと営業マンが言ったところ目の前にいるお客さまの気分を損ねてしまうということもよくあります。 さらに大勢の中で片方を褒めると別の人が嫉妬し不快な思いをすることもあるでしょう。 |
これらのように褒め方を間違えると反って相手の機嫌を損ねてしまうこともあるのです。
もし相手のことを見ていないのにも関わらず自分が良く思われたいがために上辺だけの褒め言葉を言おうと思ったのならやめておいた方がよいでしょう。
とはいえ褒めることは人間関係を作る上で身につけておきたい技術です。
相手を気遣い、お互いを高めあえるように褒めることを心がけて円満な人間関係を気付ける人になってほしいと思います。
そしてあなたが褒められたときは(できれば…)素直に喜んでおくべきでしょう。
※関連記事:
ハイダーのバランス理論