“ノルマ”を課せられることへの不満
ノルマの語源
「ノルマ」の語源は第二次世界大戦後にシベリア抑留者が持ち帰ったロシア語といわれています。
日本語では“一定時間内に課せられる標準作業量”を意味しています。
ちなみに当時のロシアはまだソビエト連邦で社会主義を掲げる国家でした。
社会主義とは、平等で公正な社会を目指す思想です。
そんな歴史的背景もありソ連では国民みんな同等の作業量の仕事が割り当てられていたようです。
自主性を失った目標の末路
特にソ連では、国民に平等に物資が配給される仕組みが形成されていました。
国が生活に必要な物資を配給してくれるのです―「社会保証の充実!なんて素晴らしいんだ!」と思うかもしれません。
しかしながらソ連は崩壊してしまいました。
なぜなら国民が目標を見失ってしまうような国家になってしまったからです。
例えばこんな話があります。
「机を100個つくれ」と指令された作業員たちは、ノルマさえこなしていれば生活物資は平等に配給してもらえますので、きちんと(使い物にならないような小さい)机を100個作ります。(笑)
見かねた官僚が、今度は「数ではなく、重さで計って1トン分の机をつくれ」と指令を出しました。すると作業員たちは(動かせないほど重たい)机を1トン分作ったのです。(笑)
そんな歴史からも“ノルマ”という言葉にはなんとなく嫌なイメージを抱く人が多いのかもしれません。
ノルマをこなすことについて
目標の方向性が素晴らしい計画をもっていても“ノルマ”をこなさなければいけません。
時には嫌なことを率先してやらなければいけないときもあります。
想像力が追いつかず「やるべきこと」が「やりたいこと」に思えないこともあるでしょう。もしかすると潜在意識の中で拒否反応がおこっているのかもしれません。
そんななか成功者と呼ばれる人たちは着々とノルマをこなしていきます。
“目標に向かう正しいノルマ”は悪いものではないことを彼らは知っているからです。
あなたもノルマの方向性を見極め実践するよう努めましょう(これを私は“努力”と呼びます)。
最初はイヤだと思ってもやっているうちに楽しみを見出すことができるかもしれません―たいていの場合はそうなります。
ただ悩んで立ち止まっていてもストレスから解放されることはほとんどありません。
もしノルマをこなす活力が沸いてこなければ、立ち止まって計画を見直したり積極的に休んだりするだけでもいいので、自らの心を制する“脳力”を意識するようにしましょう。
「成功者たちの共通点は、成功してない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということである。彼らにしてみても、必ずしもそれを行っているわけではないが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ」―E・M・グレー(『成功者の共通点』の著者)
source credit titles 1.Prisoners coming in / National Library of Scotland 2.Men packing and securing bales of wool for transport in the hold of the MAGDELENE VINNEN, March 1933 / Australian National Maritime Museum on The Commons 3.MAGDALENE VINNEN in Sydney Harbour, March 1933 / Australian National Maritime Museum on The Commons